大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和23(れ)1022 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人井本台吉の上告趣意は末尾添付の書面記載の如くであつてこれに対する当

裁判所の判断は次のとおりである。

上告趣意第一点について。

原審の認定した事実として原判決の引用する第一審判決の示した事実によれば、

被告人はA外一名と共謀の上、B方で家人を脅迫して同人所有の衣類その他の金品

を強取したというのであるから、原判決は被告人の所為につき強盗罪の共同正犯に

当る事実を認定したものである。しかるに、原判決は被告人の判示所為に対して刑

法第二三六条第一項を適用したのみで同法第六〇条の適用を遺脱している違法のあ

ることは所論のとおりである。しかしながら、刑法第六〇条は、二人以上共同して

犯罪を実行した者を皆正犯とすることを明かにした規定にすぎないのであるから、

強盗罪の共同正犯については同条を適用しても結局刑法第二三六条第一項によつて

所断されることには変りがないのである。されば、原判決が刑法第六〇条の適用を

遺脱した違法は判決に影響を及ぼさないことが明白であるからこれを上告の理由と

することはできない。それ故論旨は理由がない。

同第二点について。

原審は被告人がB方で所論の自転車一台を強取した事実を認定したのであつて所

論のように窃取した事実を認定したのではない。されば原判決が刑法第二三五条を

適用しなかつたのは当然であつて原判決には所論のように法令の適用を遺脱した違

法はない。論旨は結局において原審の事実誤認を主張するに帰するので採用するこ

とができない。

よつて刑事訴訟法第四四六条により主文のとおり判決する。

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以上は裁判官全員の一致した意見である。

検察官 小幡勇三郎関与

昭和二三年一一月二日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 長 谷 川 太 一 郎

裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

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